
■大切にしたい身近な資源性、陽の動き:keyword■
お日様は、東から昇り、西に沈みます。
あたりまえのことですが、知っているはずなのに、あまり良く知らないということは多いものです。
では、本当にお日様はどこから昇っているのでしょう。
夏と冬とでは大きく違うのです。地域によっても大きく異なるのです。
夏は北東から日が登り、北西に沈みます。
つまり、夏は、昇る陽も沈む日も、南側の窓から差し込むことは絶対になく、北側に面した窓から差し込んでいるのです。そうだったのか、そうだったねえ、と思うことが多いのではないでしょうか。
さて、サイコロのような立方体の建物が、南面して建っていると仮定します。
夏は、建物のどの面が、陽を沢山受けているでしょう。
「南面でしょう」と答えたくなりますが、良く考えればそれは違っているということが分かります。
夏の日は、頭の頂上に近いところを、昼間移動するわけですから、東面や西面に比べ数分の一しか、南面は陽を受けていないのです。
その反対に、冬の日は、南東から昇り、南の低い位置を移動し、南西に沈みますので、南面は、東面や西面に比べ、数倍の陽を受けているのです。
省エネで、よく「数%」というのを聞くでしょう。それに比べてみてください。「数分の一」、「数倍」という関係性は、見逃すべきものではありません。
夏冬、両方を考えて、夏、陽を遮って涼しく、冬、陽を入れて暖かく、お日様の力をフルにいかしたいと思うのであれば、南に窓を開け、東西の窓はできるだけ少なくすることが好ましいということが分かります。
夏も冬も、南と東西との差が数倍、数分の一、になるのは日本の中の緯度が高くなく、また、低くない地域の特色で、北海道や沖縄では若干、その差が少なくなるという面白い数値を太陽は描いてくれていることも、数学好きの人のために、付け加えておきます。
実際、風通しのための窓でない限り、基本的には、東西面には窓を開けないようにしています。どうしても立地や景観のために、東西に開口しなければならないときには、工夫が必要です。その工夫をするのも楽しいことです。
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