


■冷放射、keyword■
夏、炎天下で、車に乗っています。エアコンで28度に冷やされていますが、熱く感じます。窓は当然、しまっています。
その車がトンネルの中に入ります。すると、急に涼しさを感じます。窓は相変わらず閉まっています。急に空気が入れ替わることはありません。当然、風も入りません。室内の温度も28度のままで変わりません。
いったいどうしてでしょう。
それは、「放射」の現象によります。
放射により涼しさを感じているのです。
トンネルの中の壁や天井の温度が低いために、そこからの冷放射が、車の窓を通過して、私たちを、涼しくさせているのです。
民家に入ると涼しさを感じるのも、この冷放射によります。
室温は、普通の家とそれほど変わらないのに、土間や壁の温度が低く、そこからの冷放射によって、涼しさを感じているわけです。
「放射」とは、離れたところにある物体から、涼しさや、温かさが他の物体に直線的に届く現象です(このあたりは日本人的感覚表現法?で説明していますので悪しからず)。
実は普通の木造住宅の最上階部分では、夏、仮にエアコンで、室温を28度にしていたとしても、天井の表面温度は40度ぐらいはあるのです。驚かれるでしょう。
いくら室温が28度になっていても、天井面から40度という熱い放射がなされているので、体感温度は室温より高く、熱くてたまらないのです。
そこで、28度より、さらに室温を下げたくなります。しかし、数度程度下げたところで、天井の熱い放射の状況は変わりませんから、下げても下げても、もっとエアコンが効いて欲しいと思ってしまうわけです。すると足元は冷えてだるくなります。
そうした悪循環は体にもよくありません。
したがって、エクセルギーハウスでは、外気温が30度ぐらいであれば、天井も壁も床も、部屋を囲む面が26度ぐらいになり、それらの面が、常に冷放射している室内環境を、基本としてしつらえます。
このしつらえの環境には、エアコンは存在しません。
次回は、「宇宙や太陽という物体?」からの放射について触れます。
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