
■急速に地下から掘り出しまき散らかさない:keyword■
大気圏の成分が、果てしなく長い間、一定であったから、私たちも、さまざまな生き物たちも生きてくることができたのです。
地球の外から、大気圏に入ってくる物質は、隕石などごく少量だそうです。大きな隕石が入ってくると、恐竜の時代が終わってしまうほど地球に大きな変化をもたらすといわれているぐらいですから、地球外から大気圏に侵入した物質は、長い間ほとんどなかったと言ってよいくらいなのでしょう。
つまり、大気圏の成分を大きく変えているのは、地球の内部から放出されたもの、と着目してよいのでしょう。 自然の噴火や噴泉なども、影響を与えて来たはずですが、それ以上に大きな変化をもたらしたのが、人が地球の内部から掘り出しまき散らかした、近年の物質であることがわかります。
ゆっくりとしか地球の内部の物質が地上に現れないのが、「地球の一生」であるのならば、それを加速するような、「急速に地下から掘り出してまき散らかす」ことは「地球の老化を加速させること」を意味するのではないか、と思えてきます。
すくなくとも、そんな不遜な活動は、人間が、責任もって進めてゆけないことであることだけは、確かです。
現在、大気中のCO2が増えないように、減らすようにと、私たちは日常心がけています。でも、CO2だけの問題ではないことがわかります。
石油や石炭を掘り出し、プラスチックに加工したり燃焼させる際に、CO2がまき散らかされます。
原子力発電に必要なウランなどを掘り出し、利用すると放射性物質が拡散してゆきます。
鉄やアルミなどを、掘り出し、加工するとCO2以外の気体も拡散します。鉄やアルミ自体も様々な部品となって、世界中に散らばってゆきます。
あちらこちらで、日本人に心地よさを与えてくれる温泉も、昔は自然に湧き出ていたものだけでした。
今は深いところから掘り上げていることに気がつきます。これも大量になると、地球の営みに影響を与えることになると予想されます。深層地下水の汲み上げも、深層地熱の利用も、自然の活用とも表現されていますが、注意が必要な活用、といえることになります。
ちなみに、樹木は、根の張る部分の養分しか吸い上げていません。それ以上に深いところから何かをくみ上げている生き物は思い浮かびません。
根の及ぶぐらいの深さまで、を活用の目安として「心地よく暮らす知恵」を、皆で、工夫してゆくことが、私たち人間の営みなのではないかと思います。
小学校などでは「CO2削減」よりも、地球のために、私たちのために「急速に地下から掘り出しまき散らかさない」を教えていただけたらなあ、と思います。
次回は、「心地よく暮らす知恵」に迫ります。
スポンサーサイト
- http://architecta.blog64.fc2.com/tb.php/134-8b1027d0
0件のトラックバック
コメントの投稿