
■民家の技術、どのように導入してゆくか:keyword■
建築学会大会で、久しぶりに、坊垣和明先生にお会いしました。
膨大な情報を処理し、沢山の数字を操り、いつも、温かく、厳しく、指導していただいてきています。
でも、この日は何時に無く、柔和な表情でお話いただきました。それもそのはずです。
数字などひとつも無い本を書かれた、そのお話なのです。伝統的な民家についての本です。
民家は、文化人類学的に、あるいは歴史学的には多く研究されてきていますが、建築技術的には、ほとんど研究されてきていないというのが、驚くべきことなのですが、本当なのです。
茅葺の屋根や、大黒柱については、記されてきましたが、気候風土に照らし合わせて、どのような建築技術があったのかを、しっかり整理したものはまだないのです
http://architecta.blog64.fc2.com/blog-category-19.html。
先生の本「民家のしくみ」は、建物のみではなく、生垣や植え込みなど、建物周りまで含めて、それぞれの気候風土に合わせて、どのような技術の考え方があったのかについて、語られています。とはいっても、堅苦しくない楽しい本になっています。
このような視点で、民家をとらえると、こんなにまで、異なった姿を民家が見せてくれるのか、と感じます。きっと皆さんもそう思われることでしょう。そのように自信を持てるのは、この本は坊垣氏自身が撮影された、全国の豊富な写真が、また見どころになっているからです。
具体的に、ビジュアルに、いつもと異なる民家の姿を拝見することができるのです。
現代にふさわしい、「これからの私達の日本の民家」を考えてゆくのに、とてもうれしい一冊です。
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