
■森の替わりをする建築:keyword■
電気を活用するのに、長い電線を用いているようでは、多少の省エネを図ったところでは、らちがあきません。発電所で10の資源が投入されても、家の中の蛍光灯の光には、そのうち1しか使われていないのです。9は無駄になってしまっているのです。仮に蛍光灯の効率が25%という大きな改善がなされても、エネルギー全体における省エネは、2.5%にしかならないのです。
このような方法では、国の目指す25%削減は実現できないことがわかるはずです。
それに比べ、極めて効率がよく、かつ、本来の地球の営みの姿であるから、本質的に地球に負担をかけない、つまり原理的には、国の目標25%のところを100%まで削減可能な技術、が身近に存在していることをほとんど忘れてきました。
その技術こそ、ローエクセルギー(身近な資源性)を活用する視点に基づくものです。
つまり、今のところ、自然の創造物にかなうものが作れない人類は、今という時代に、極めて効率のよい「自然の仕組みを模倣する技術」を、深く思考し、組み上げてゆくことが求められているといえます。その技術こそ、ローエクセルギーの活用になります。
さて、日本の大地は、自然のままに放っておけば、森になってしまうところがほとんどだそうです。つまり、本来の自然は「森」ということになります。
「建物を建てる」ということは、「その森を切って、その代わりに何かをそこに存在させる」ことを意味します。新築する際にそこに古い建物が建っている場合にも、遡って遠い昔を確認すれば、多くの場合、そこは森であった、ということです。そうした地球の変遷の中で見れば、いずれの新築も森を切って実現させていることになります。
森を切ると、森が持っていた機能が失われます。そのこと自体が環境に負荷をかけています。そこで、森を切って家を建てているのですから、家が森の機能を代替してくれれば、環境に負荷をかけないことになります。
そこで、「森」という自然の仕組みを勉強しよう、ということになりました。そして、その仕組みを模倣しようというのです。
「優れた森の仕組み」を模倣すると、なんと、100%化石燃料に頼ることなく、夏涼しく、冬暖かく、心地よい建物が誕生する、というのがエクセルギーハウスの試みなのです。
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