

■月桃紙、月桃の栽培、身近な資源性を有効に活用する:keyword■
一番上の写真は、月桃紙で作られたシャンデリアです。
紙の味わい、というものも、見事です。
昨年11月末に、毎年恒例の研修会に行ってきました。食の安全を追及している生活クラブ生協が、同じように建築も追求しようということで、同生協組合員とともに、住まいづくりを進めてきています。そこに集まってきた設計士が、自分達のために開く研修会です。一昨年は朝5時から夜中まで勉強するという、大変ハードなものになりました。昨年も劣らずの会でした。
一昨年は畳の生産とそのもととなるイグサの生産のために熊本近辺でした。昨年は月桃紙の生産とそのもととなる月桃の生産です。それだけのために、沖縄で2日間を費やしたのです。
参加する以前には、紙のことだけで2日間もかけるのでは、時間が余ってしまうのではないか、と思っていましたが、とんでもない誤りでした。
この2年で学習したことは、加工生産(第2次産業)を見たいと思ったら、そのもととなる第1次産業まで見なければ、大切な部分が見えてこない、ということです。
月桃という植物は、生姜に似た形状です。1年で人の背丈以上に成長します。同じ所で何回も育ちます。たいした栄養もいらず、虫よけもいりません。
つまり、比較的容易に育つものです。この月桃は、沖縄では、その殺菌効果が活かされて、本土の笹の葉のように、餅を包むのに使われてきました。
実は、紙の原料として活用されるようになったのは近年なのでした。写真左下から右に順に、茎状の部分だけにして、それをつぶし、乾燥させて丸めて、紙漉きの工場へ、と実に自然な流れです。かつて、竹から紙を作る行程を見ましたがもっと、力の要る作業でした。
紙の原料は多くを輸入しています。大量に比較的容易に身近で手に入るものから、紙を作ることが可能なのです。そうした材料が、必ずしも昔から紙の原料として使われているとは限らないこと、を学習したのです。
まだまだ、そこら辺の雑草の類で、様々に活用できるものがたくさんあるかもしれない、と思えてきます。
ちなみに、月桃の葉の部分からは、シロアリの忌避成分が抽出され、それは建築にも役立ちます。
つぶした葉は、月桃を育てる肥料になります。生産、製造、使用、消費のすべての工程を見ることは素晴らしいことです。
スポンサーサイト
- http://architecta.blog64.fc2.com/tb.php/177-f1cf015d
0件のトラックバック
コメントの投稿