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あこがれの洋風

アメリカ
■憧れの洋風、本物、アメリカルート:keyword■

西洋の文化も日本の文化も素敵です。
私達、建築に関わる者が学習し、身に付けている「建築学」は、西洋の文化の結晶ともいえるものだと思います。同様に、日本に生れ、育ったことにより備わっている「地域らしい物の見方、考え方」も日ごろ活躍しています。

ところで、西洋の文化については、この国に入ってきた経緯から、かなり歪んで理解され、展開されているようです。

人気は博している都内のある大手ホテルのお披露目会でのことです。10年ほど前になるでしょう。ホテルを企画した企業は、「ヨーロッパの本物を、この日本に持ってきました。」と言います。

困ったのは設計者です。彼はヨーロッパのことをあまり知らないのです。あいまいな説明の得意な日本人のように、知ったかぶりの発言もできませんので、彼らの得意な論理的説明を用意して、それを持って、設計概要を説明してくれました。

「私は「グランドヨーロッパ」というコンセプトを作って、この計画を進めました。」
彼はアメリカ人なのです。企画サイドは、アメリカ人の多くがヨーロッパを知らないことにほとんど無頓着でした。

戦後、アメリカの庇護のもと、急速に経済発展をとげた日本では、西洋文化はアメリカルートで、その発展とともに入ってきました。したがって、私たちには、落ち着いてその文化を見つめる余裕などなかったので、多くのアメリカ人がヨーロッパのことを知らないこと、ヨーロッパとアメリカの文化に差があること、を意識することはほとんどなかったことになるでしょう。

尤も企画者サイドには、日本人にとって慣れ親しんだアメリカ風のもののほうが、ホテルという「商品としては良い」という狙いがあったことは消すことはできません。しかし、「ヨーロッパの本物」はどこかに消えてしまっていること、そうした風潮が、本当の豊かさに近づけなかった現代社会の一側面のように思えてきます。

アメリカから見放され傾向にある現在、私たちの憧れの「洋風」も、じっくりと、味わいながら、楽しみながら、一緒になって検討できる良い時代をむかえているといえそうです。










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