

■バイオマス燃量、薪、チップ、ペレット、保管スペース:keyword■
ペレットは全く扱いやすい燃料だと思います。
手は汚れず、仮に飲み込んでも体に害はなく、自然の木の、癒しの香りがします。
着火時には、煙が少々出ますが、それは煙突で外気に放出されますので、室内に影響しません。外気に対しても極めて短時間の放出ですので、今のところ、環境負荷として問題になるほどではありません、しかし、この点もさらに改良されるでしょう。
昔のストーブのように、手で、着火、消火するものもありますが、ペレットの特性を生かした、火力調整が思いのままになり、タイマー内臓で、自動着火、消火ができるものが、都市暮らしには適しているでしょう。
そうしたタイプでは、外部の空気を導入して、外部に排気するFF式が採用されていることが多いので、室内空気が燃焼に使われて酸欠になるということもありません。
輸入のものと国産のものとがあります。葛巻林業の遠藤保二氏らが関わって開発した、木材の皮の部分まで含むペレットを燃やせるペレットストーブは、画期的で、氏の周りには素晴らしいお話がたくさんあります。
http://www.nedo.go.jp/nedohokkaido/event/photo/160917baio/endo.pdf#search='葛巻林業 遠藤'
しかし、そのタイプのペレットは東京では製造されていません。運送に燃料を消費するのは好ましくありませんから、東京近辺では、多摩の山を守ろうとしている川尻氏のところhttp://www.tokyopellet.jp/のペレットに適したストーブをお勧めしています。
国産もありますが、今のところ、イタリアのものがコストパフォーマンス等総合的にみて、良いようです。
ところで、ペレットは便利ですが、ペレットを製造するのに、1割ぐらいのエネルギーが消費されています。
木を一度粉にして、また均質な粒(ペレット状)に固める、その過程にエネルギーが必要なのです。
「集めること、散らかすこと」の観点から言いますと、一度粉にするのは、散らかしていることになり、固めるのは、集めることになります。それを燃やして、また散らかすという現象です。必要がない限り、あまり、機械を用いて、散らかしたり集めたりを繰り返さない方が環境には良いようです。
木質バイオマス燃料の代表として、薪、チップ、ペレットがあります。薪は木を割って30センチぐらいのブロックにしたものです。チップは、数センチ程度の大きさに木を粉砕したものです。園芸用のマルチング材として身近に見ることができます。
薪は、少しだけ木を散らかした存在で、もっと散らかしたのがチップであって、さらに散らかして、集めて固める工程を加えたものがペレットということになります。どの工程も今は機械を用いるのが普通でしょう。したがって、環境の点からいえば、薪が最も優れ、次にチップ、そしてペレットとなります。
そこで、都市というある種、特異状況においては、ペレットが向いているのであって、山の近くの集落では、薪や、チップを燃料として使うことが基本と考えるべきでしょう。
こうしたものについて、私たちはなぜ「散らかすのでしょう」。それは、「均質化を図りたい」ということに深く関わっていると思います。「均質化されたものは、扱いやすく、制御しやすい」のです。
しかし、「均質化されてないものを上手にマネージメントする」ことの方が、,高度の技術であり、文化であるはずです。
それは、この数十年間で出来上がった「均質化によって管理された社会」が、如何に文化的に貧しいものであったかを実感している私たちには、ごく自然に理解できます。
というわけで、近い将来、ペレットなどに加工せず、薪そのままであっても、その扱いのわずらわしさが解消され、排気等において環境負荷を発生させない、「機械によって均質化されなくても、上手に操ることのできる技術」、が誕生することも想像できることは、とてもうれしいことです。
下の写真は、チップと同じ発熱量を発することのできる重油を、その上において、量を比較した様子です。チップはかなり嵩張ります。
ペレットはこのチップに比べ3分の1以下の体積で、同じ発熱量が得られるという、扱いやすさもあります。でも、家の中に半畳ぐらいのペレット置き場はあった方が良いでしょう。
上の写真は、薪を活用している民家の様子です。薪を軒下の外壁に沿わして保管しているのが分かりますが、これは冬の間、家の中を少しでも暖かくしようとする知恵で、建物にとっての断熱材的な役割も果たしています。こうした立体的な知恵を大切にしたいですね。(続きます)
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