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冬のエクセルギーハウス(その1)

焚き口2
暖房が示す住まい2

焚き口3
■部屋の暖め方、エアコンとの違い、太陽熱温水、ペレットストーブ:keyword■

日本の建築には、長い歴史の中で、さまざまな勝れた技術が組み込まれてきました。
しかし、ほとんど 検討されず、技術が導入されなかったポイントもあります。

たとえば、西洋の暖炉や、韓国のオンドルのように、「部屋全体、あるいは建物全体を暖める」という文化は、概ね、無かったとしてよさそうです。

あったのは、「暖をとる」に象徴される、「囲炉裏に手をかざし、背中にドテラをしょっていた」という部分的な温かさを大切にする文化でした。これが、必ずしも劣っているわけではないので、そこにも触れておきます。

私の知り合いの、日本暮らしのイギリス人は、コタツに入る平べったいソファーを探してきて、ソファーに収まったまま、全身、コタツの中に入れて冬をすごします。「これが最もエコで、経済的で、心地よい暖房だ」と誉めているのです。

しかし、戦後、私たちの多くが、冬、外から帰ってくるとコートを脱ぎ、その下はノースリーブで、その、まるで夏の姿のままですごす、アメリカのホームドラマにあこがれ、実際変化してきた、私たちの生活形式に遅れまいと、「暖をとる」より「部屋を暖めよう」、を求めたことは、もっともなことだったと思います。

そんなわけで、そのために、ファンヒーターやエアコンが導入されました。
しかし、そうした部屋全体を暖めるための装置は導入されましたが、肝心の建築自体は、昔のまま、「部屋を暖めるの」には不向きな形式のままでした。 
その改善に本格的に取り組みはじめてから、なんと、まだ10数年しか経っていません。したがって、「部屋を暖める」文化としては、よちよち歩きと言ったところでしょう。

建物の改造や新築にとりかかろうとする多くの人が、「納得いかない」「何を選択したらよいかわからない」と感じます。しかも「売らんかな」の要領を得ない建築宣伝が横行しています。こうした状況の背景になにがあるのでしょうか。
社会における、明治維新に相当するくらい大きな変革が、今、日本の建築に起きていると思うのです。にもかかわらず、維新の時と異なり、学者をふくむ、私たち皆が、その変革の大きさを全く意識せず、真正面から取り組んでいないことが、そうしたいらだちの背景にあるのでは、と思えます。

現代の日本の暮らしに適した、日本の風土に適した日本建築は、未だに出来上がっていないのです。
今、ようやっと、その文化と技術が育ち始めているのだ、といえるでしょう。

「環境を救う建築」エクセルギーハウスは、現代の日本の暮らしに適した、日本の風土に適した日本建築としても、日々進化しています。

ファンヒーターやエアコンといった、部屋の中の空気を加工しようとする仕組みは用いないで、建物自体が、現代の日本の暮らしに適した、日本の風土に適したものとして、冬暖かく、夏涼しくあるように、掘り下げて研究・開発してきました。

冬は、建物自体の壁、床、天井が同じように暖かくなるように、雨水を太陽熱で温めたものを、暖かさの核として活用します。特に寒い時には、ペレットストーブで暖を加えるのです。
そして、あくまでも、部分的な仕組みだけではなく、建物全体で総合的にその温かさを実現することが大切です。(「環境を救う建築」ホームページhttp://homepage2.nifty.com/architecta/index.htmlをご覧ください) 
なぜ雨水を活用するのかは別の機会にします。

写真は、熊野で豊かな自給自足を実現している北岡敏宏氏の作ったオンドル建築とその焚口です。家具も、料理も、演奏もすべて一流の腕前です。家もいくつも、手作りしてしまうのですが、こてこてにならない、さりげない、さっぱりした美しさを実現してしまうスーパーマンです。
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