

■和紙、竹の和紙、ペット対応、
漆喰壁がはがれかけているような古い建物の一部屋に、和紙を貼ってみる、という教室に参加してみました。数十人が参加して思い思いに貼ってみましたので、一枚の絵のように仕上がり、にぎやかです。
一度経験してしまうと、その手軽さを実感し、いつか自宅でやってみようと、思うようになります。隣の方々との楽しいおしゃべりでも、それを確認しました。
手軽さは、セルフビルドのための条件であって、和紙に対する感動は、実は、他の部分にありました。
貼りあがって部屋の中で、参加者はある種の別世界を感じていたのです。
手に取った和紙は、それはそれで表情があり素敵なのですが、一旦室内を包み込む存在になってしまうと、そのなんとも、穏やかな、滑らかな、手や頬に触れなくても、感じさせてくれる、いうなれば皮膚感覚、そして、穏やかな風をとらえたら離さないような、ある種の包容力、時の移ろいに素直にさせられる映写力とも言うような、力に満ち溢れた世界を誕生させてしまうのです。
それは、虜にさせられます。
想像してしまいます。
その和紙の部屋で、ご主人を亡くされた年配のご婦人が一人でおだやかに素敵に暮らしておられました。その部屋が、今は、小学生になるかならないかの兄弟が走り回る子供部屋になっています。その部屋は、季節による陽の光の違いを、まったく変わることなく、正確に捉えているのです。
伝統的な和紙は、薬品を使わず、繊維を傷めずに製造します。したがって、何かを書き記して長期に保存するものとしては、洋紙に比べはるかに長持ちするそうです。強さもあれば、呼吸性能もあります。すばらしい素材です。
その和紙は、破れ障子などのイメージから、華奢で、建物の部品としては、西欧の建築の部品のようなしっかりした存在と比較して、劣るような気がしてしまいます。しかし、壁に貼った和紙は、強靭で、壁の保護の役割を果たすほどなので、ます、頭の中の和紙のイメージを、張り替えるのも良いと思います。
和紙には、他の活用方法も発見できるでしょう。
貼った和紙は、水で濡らせば、簡単にはがせます。当然化学接着剤など使っていません。しかし、全面濡らさない限り、しっかりついていてくれます。
そこで、箒があたる壁の下の部分、巾木部分あるいは腰部分などといいますが、その部分だけ和紙を貼ってみるというのも名案です。ペットがすぐに傷つけてしまう、あの場所です。石などの強靭な素材を貼りたくなる所でしょうが、壁を保護できる和紙を貼り、それが傷んできたら、簡単に張り替えるというのもひとつの方法です。
東京の山を控える八王子の「結いの会」
http://npoyui.hp.infoseek.co.jp/の方々が指導してくださいました。森では、今、手入れに手間を掛けられない状況から、竹の侵食が目立っていて、何とか竹を活用しようと、一生懸命です。これはこの地域に限ったことではありません。結いの会では、竹を刈り、腐らせて、繊維をとり、竹の和紙も開発しておられます。これがまた魅力的です。
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