
■暖房、温房、太陽熱温水器、水に熱をためる:keyword■
エクセルギーハウスでは、暖冷房において、系統電力や化石燃料に頼らず、いっさいCO2を発生させない様にしています。
冬は、太陽熱で雨水を暖め、それを床下に貯めておくことによって、建物全体を暖めるようにします(このように穏やかに温めることを温房といいます)。それだけでは寒い日には、森の資源であるペレットを燃料にするペレットストーブで加温します。
太陽熱温水器で、太陽のエネルギーを得るのは、太陽熱温水器の効率が高いという理由だけではありません。水に熱をためておくという仕組みが効果的であることも大きな要因です。
昼間太陽から確保した熱を「ためて」、夜にも、さらに、毎日のためにも活用するという仕組みが重要なのです。
実は、熱をためる能力は、素材によって違います。同じ嵩ならば、木材に比べ、コンクリートは2倍、水はさらにその2倍の能力があります。空気は、反対に木材の1/1000しか熱を溜める能力がありません。
したがって、木造の建築に水をためておくことは、木材の4倍の熱をためる能力をコンパクトに、かつローコストで加えるということで、適切な方法と考えています。
一般の木造では夜を越し、朝には室内気温がかなり下がっているのに比べ、建物内に用意した水に、熱を溜めることによって、次の朝でもそれほど気温が下がらなくて済むようにできるのです。
実は、人間の体の約60%は水であり、植物の体の約80%は水です。建物の骨組みの水分量は適度に乾燥していた方が良いこともあって、約15%ですが、動物や植物が含む水分量の多さと比較すると、骨組み等を除く建物全体では、もっと水を溜めておいて良いのでは、と思っています。
伝統的な民家では、地域によって異なりますが、茅葺の屋根の厚さが40センチぐらいのところもあります。その上部1/3ぐらいには雨水を溜めています。室内に露出していたまさに土の土間も、現在の建築床材に比べ水を含んでいます。そんなことを思い出します。
建物に溜めておく水は、建物内の暖かさ涼しさそして乾燥・潤いの安定性を保つばかりではなく、火災の時に消火用水になり、非常時のライフラインにもなります。
エクセルギーハウスでは、2tぐらいの水を床下に溜めます。ちなみに、普通の消防自動車が積んでいる水の量は1.5tです。
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