
■「鮭の遡上」現象、断熱材としての落ち葉:keyword■
「『鮭の遡上』現象」で触れましたように、下に住む私たちは、生ゴミ、そして落葉、つまり、「汚しそうな物」、「散らかっていってしまいそうな物」を、大地から、また調理場から、屋上にせっせと、運び上げるのが、日常なのです。
落ち葉は落ち葉だけで重ねています。「生ゴミは、漬物にして」から畑の土の上に載せます。この漬物の話はまた別の機会にします。
鮭はきれいな川を、毎年昇って行って、命絶え、朽ちて川を適度に汚し、それが下流の大地を潤し、豊かな恵みをもたらしているそうです。この現象を「鮭の遡上現象」と呼んでいます。
鮭の遡上現象を日常のものに、してみているわけです。
「汚しそうな物」、「散らかっていってしまいそうな物」は、放っておけば下の方へ、下流の方へ行きがちです。
それをあえて上の方へもって行くのです。大地から、どこかへ飛んでいってしまう前の落ち葉を、私たちいきものの手でかき集めて、屋上へ運び上げるのです。
そして、屋上に、豊かな土を作ってゆこうとしているわけです。
年々少しずつ、土の質が良くなってきています。
この建物は、実験建築でもありますので、屋上には、断熱がしてありません。我が家は最上階にあって、冬は寒いのです。
屋上に落ち葉を敷き詰めますと、ありがたいことに、天井の温度が2,3度上昇してくれます。
森の中では、この落ち葉のおかげで、その下の温度があまり下がらないようになっています。
したがって、さまざまないきものたちが、冬も生きてゆけるのだそうです。
そのことが春に芽吹く、また、その他のいきものたちの備えにもなるのだそうです。
我が家に暮らすものたちも、同じように、この落ち葉の下で、その恩恵を頂いてすごしていることになります。
童話にありましたように、落ち葉は金貨かもしれません。
スポンサーサイト
- http://architecta.blog64.fc2.com/tb.php/46-1c3ae572
0件のトラックバック
コメントの投稿