
■にがな、白和え、野草、花が咲く、定着と移動:keyword■
この春に、沖縄の渡名喜島で、「にがな」を頂いてきました。白和えにすると、ものすごくおいしい野草です。
12月に入っているのに、まだ元気でいます。この冬をどのようにすごすのでしょうか。
寒風の吹きすさぶ悪条件の屋上にもかかわらず、地植えにしたものは、大きく葉を伸ばしています。手前の鉢植えのものは、葉は小さく、かわいそうな状況です。
でも、ご覧ください。この鉢植えだけは、きれいな花をつけています。栄養が乏しく悪条件であると花をつけるといわれています。
きっと、この「にがな」は、鉢の中ではすごしにくく、花を咲かせ、種になって、風か虫たちなどによって運ばれ、もっと住みよい遠方で暮らしたいと思っているのでしょう。
戦後、人間の社会では、「遠くへ行ってすごしたい」が、ものすごく多かったわけです。それは、都会への移動でした。そればかりになってしまったことに、問題があったのでしょう。
野草の世界では、こんな風に、遠くへ行こうとするものと、根を張って、そこに定着しようとするものと両方が存在する様です。 どちらかといえば、そこに定着しようとするものの方が多いのでしょう。そうしたバランスを、人間の社会でも考えてゆくとよいのだなあ、と思うのです。
ところで、若杉先生の本によると「にがな」といわれる野草は、本土に、他にもありそうです。「苦い」という味わいが、どこの地域でも必要だったのでしょう。
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