エクセルギーハウス「地球の住まい手になる」を発信する建築家黒岩哲彦のブログ。自然のめぐみを大切にした心地よい建築づくりと楽しい暮らしのエッセンス。
■いつもと違うもの、季節の変化、歳時記、企画者:keyword■
いつもと違うものが食卓にのっています。
クリスマスの木の蜂蜜と、クリスマスのブッシュの蜂蜜です。
クリスマスの木というのがあるのだそうです。ギリシャの、きっと、山の奥の方にあるのでしょう。遠く、遠くから運ばれてきたものでしょう。東方の七賢人?が知らせてくれたのかも知れません。
いつもは、近所で収穫されるものを食しています。でも、時々変化がほしくなります。
生活にメリハリをつけることは、楽しいことですが、毎日となると大変な努力のいることでもあります。
毎日、企画者であろうとしなくても、よいはずなのです。
そう思って、身の回りを見回すと、変化を演出してくれるものが、たくさんあることに気がつきます。代表は季節の変化です。陽の角度も、森の色も、空気の重さも、日々変わります。どこにもディレクターがいるわけではないのに、この季節の変化が、毎年見事に演出されているのです。
季節の変化に身を任せるだけで、人生を送りたいものです。お茶やお花の作法でも、季節の変化をめでることを大切にしているのを思い出します。
そして、私たちが若いころ、束縛から解放されたかったがために、以降も、ないがしろにしがちであった「歳時記」も、変化を演出してくれる重宝なものだと気づかせてくれます。
信仰のない自分が言える範囲ですが、日本の神道を含む世界中の原始宗教は、「万物が神である」と許容する傾向にあるそうです。さまざまな歳時記や季節の変化と向き合う時に、自分の中にそういう心が存在していたことをうれしく思います。
季節の変化も、そして、身近な歳時記も、そして遠くから届けられた歳時記も、許容している自分に気がつくからです。
若いころに、ギリシャに十数年通いました。ギリシャ語はむずかしく、まるきり話せません。でもいくつかの言葉は教わりました。
世界中の人が、いつもと違うこの日を、「クリスマス」「クリスマス」といって、楽しく過ごしています。その、「クリスマス」とは、ギリシャ語で、「私たちのキリスト」という意味なのです。つまり、世界中の人が「私たちのキリスト」と声を掛け合っているのです。驚くべきことです。
歳時記の力は、毎日企画者であろうとすることより、はなはだ強いものなのでしょう。
Author:EXERGYHOUSE
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