
■日本の風土に合ったもの、これから誕生する、ゆっくり見つめなおす:keyword■
かつての日本建築は、折々に渡来する、さまざまな技術や文化を、時間をかけて取り込み、日本の風土に合ったものに自ら進化させてきた、と言えるでしょう。
その流れは、特に戦後の数十年で、すっかり変わってしまいました。
「日本の風土にあった」、というような検討をする余裕はほとんどなかったのです。
さまざまな色や趣味、技術がくみこまれた建物が生産され、林立しているのは事実です。
それは、間違いなく「現代の建築」です。
しかし、「現代の日本建築」と言えるほどには、日本の風土に合ったものには仕上がっていないのです。
「何かがおかしい」、「何かを改善しなければ」、「多くのことが言われている」「しかし要領を得ない」。 そう感じる方が実に多いのです。
しかし、何が問題で、何を改善しなければならないのかということに、学者を含む、専門家が注目し始めて、まだ10数年にしかならないのです。
そこで、「高気密」、「外断熱」、「エアサーキュレーション」等いろいろな宣伝合戦が繰り広げられ、建築周辺の社会は騒然としています。
現代の日本にふさわしい日本建築は、実はまだ出来上がっていないのです。これから誕生するということになります。
そういうつもりで落ち着いて、住まいや街並み、社会のことを見つめられるのが、せわしなかった戦後を終えようとする、まさに、今だと言えるでしょう。
落ち着いて、ゆっくりと見直してみると、誤解していたことが多かったことに、びっくりさせられます。
そのあたりについて、これから数日、ご紹介します。
たとえば、憧れの先進国に追いつこうとしました。追いついてしまった点、追い抜いてしまった点などが、生まれてしまいました。そうなっときに、あこがれのパリや、ベルリン、ロンドンなども、近い存在、似通った存在と思いがちです。
図の赤線は、赤道ではなく、東京と同じ緯度を示したものです。よく見てください。
パリや、ベルリン、ロンドンは、東京よりもかなり北に位置します。一方、東京と同じ緯度のうえに、今問題になっている、イランやイラクはあるのです。大きく誤解していました。
当然、気候風土も、あこがれの地と東京は異なっています。
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