
■雨水が活躍するエクセルギーハウス(その2)、温房:keyword■
トイレのフラッシュに雨水を活用しようという話は、よく聞きます。
しかし、雨水の国際会議などでは、あまり大きな声で、その事を自慢するのは、はばかられます。
なぜならば、世界では、飲み水が不足し、雨水に頼ろうとする人たちの数のほうがずっと多いからです。
雨水は、上手に収穫すれば、蒸留水のようにきれいな水です。トイレに直に使ってはもったいないのです。何かに使ってから、トイレに使うという多段階利用の方がベターといわれています。
世界のあちこちの国で実施されている様に、飲み水にするのに問題はありません。しかし欲を言えば、体のためには、ミネラルなどプラス要素を含んだ湧水や、沢水を、ありがたく頂きたいものです。
こうした雨水活用については、いつもご指導いただいている、村瀬誠先生がリードしてこられた「雨水市民の会
http://www.skywater.jp/」の活動が大きな役割を果たしてきていますので、ご覧ください。
ところで、その土地土地の風土にあった雨の活用が大切です。
石は多く産出されませんが、雨は多いという日本では、それに適した雨水の活用方法があるはずです。
石が使いにくいので、木造建築が主流なわけです。
しかし、近年新築のコンクリート造の共同住宅に住んだ経験のある方は、温かさや涼しさが保たれやすく、その点ではコンクリート造の方が住みやすい、と実感されていることもあろうかと思います。コンクリート造は木造に比べ、熱を溜める能力に長けているからです。
雨水はもちろん、水はコンクリートよりさらに約倍の熱をためる能力を持っています。
木造建物に、水を溜めておく(しっかり密閉して)ことは、さながら草木が体にたっぷりと水をため込んでいるのと同様に相性の良いものだ、と考えているのです。
エクセルギーハウスでは、秋のうちに建物に溜められた雨水が、冬、屋根の上に毎日上げられて、太陽熱で温められ、床下に鎮座することによって、建物全体を暖かく保つように働きます(こうした温かさは温房といわれています)。
というわけで、日本建築学会でも、雨水活用の方法として、雨水の熱容量の活用を位置づけるアカデミックスタンダードの整備を進めています。
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